マルタ首相、1月に辞任へ 記者殺害の捜査めぐる混乱回避で
(CNN) 地中海の島国マルタのムスカット首相は1日に声明を出し、来年1月半ばに辞任する意向を示した。同国では2017年に著名なジャーナリストが自動車爆弾で殺害されたことに対する捜査が行われている。
マルタの地元紙は先月29日、ムスカット首相が周囲に対し、近く辞任する計画を明かしたと報じていた。ジャーナリスト殺害の捜査をめぐる政治的、法的な混乱を受けての決定だったとしている。
殺害された女性記者のダフネ・カルアナガリチアさんは当時、政府の汚職疑惑を調べていた。カルアナガリチアさんの家族や、政府に抗議の声を上げる人々は、ムスカット首相が自身の側近を事件の捜査から守ろうとしているとの非難の声を上げている。
ムスカット首相は声明で、「この2年間毎日、私は責任を負う立場として様々な決断を下してきた。それらは事件の解決を最優先にしたものだったが、自ら確信しているように、よかった場合もあれば不十分だった場合もあった」と述べた。
カルアナガリチアさんは長年にわたり、飼い犬を殺されるなどの脅迫を受けてきた。殺害される直前には自身のブログで「どこを見ても悪党ばかり。状況は絶望的」とつづっていた。
今年7月にはカルアナガリチアさん殺害に関与したとして男3人が起訴されたが、公判前の時点で全員が無罪を主張している。