中国国営メディアの大統領選報道、米国の分断に注目
香港(CNN) 中国の国営メディアは5日投開票の米大統領選についての報道で、米政治の二極化に注目し、選挙後に騒乱が発生する恐れがあると強調した。
中国は長年、米国から一党独裁体制と批判されることに強く反発してきた。近年は習近平(シーチンピン)国家主席の下、米国の政治制度や自由民主主義への批判を一層強めている。
大統領選の当日、国営メディアは記事や論評を通し、選挙には米国の深刻な社会的分断と政治的機能不全が反映されていると指摘した。
中国共産党機関紙「環球時報」は当日の見出しで「暴力と暴動が懸念されるなかで投票が始まった」と伝えた。
国営中央テレビ(CCTV)のワシントン特派員は、街の店舗が木の板で覆われ、警察の警備が強化され、ホワイトハウスが金属フェンスで囲われた厳戒態勢に注目。連邦議会議事堂は「大混乱という最悪のシナリオに備えている」と伝えた。
北京市の党機関紙、北京日報はSNS上の論評で、「かつては代表的な『民主主義の指標』と考えられていた米国の選挙が、社会不安の引き金になるかもしれない」と主張した。
中国のSNSでも、5日から6日にかけて米大統領選が大きな話題になった。SNS大手の微博(ウェイポー)には、「国がひどく分断されている。米国Aと米国Bに分割すればいいのでは」という書き込みもあった。
中国では政治家から一般市民に至るまで、どちらの候補が勝っても米国との関係改善は見込めないとの考えが広がっていた。
微博に投稿された「だれが勝っても同じ。米国の中国封じ込めが緩和されることはない」というコメントには、多くの「いいね」が集まった。