新型肺炎の死者106人に 武漢は隔離状態、上海も企業や店舗休業
香港(CNN) 中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の死者が106人に達した。中国全土で確認された症例は4515例に上り、中国は世界への感染拡大を食い止めようと緊急対策に乗り出している。
中国衛生当局は26日、新型ウイルスは発症前でも感染する可能性があるとの見解を示した。つまり、ウイルス保有者が自分の感染に気付かないまま他人に感染させることもあり得る。
中国では15都市(総人口5700万人超)で全面封鎖または一部封鎖の措置が講じられた。
武漢市は事実上の隔離状態に置かれ、同市に通じる道路は全て封鎖されるか高度な規制が敷かれている。政府は現地の病院の対応を支援するため、医療関係者1200人と、人民解放軍の衛生兵135人を追加で派遣すると発表した。
武漢市長は26日、症例数はさらに1000例増える可能性があるとの見通しを示した。
感染は他都市にも広がり、首都北京では約70例が確認された。この中には、これまでに確認された中で最年少の生後9カ月の女児も含まれる。
中国政府は国民に旅行を思いとどまらせて感染拡大を防ぐ目的で、春節(旧正月)の休日を2月2日まで延長した。春節の祝賀行事はほぼ全てが中止になり、当局は国民に対し、伝統的な大家族の集まりも避けるよう呼びかけている。
上海当局は27日、市内の全企業や事業所に対し、2月9日までの休業を指示した。市内の学校は2月17日まで休校とする。同市に戻る就労者らに対しては検疫態勢を強化する。
上海で営業継続が認められるのは、ガソリンスタンド、薬局、スーパーマーケットなど、日常生活に欠かせない店などに限られる。