新型肺炎、発症前の患者からも感染か 米当局の対策にも影響
(CNN) 中国国家衛生健康委員会の馬暁偉主任は26日、湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスについて、発症前の患者からも感染が広がる可能性があるとの見解を示した。
米疾病対策センター(CDC)顧問のウィリアム・シャフナー氏はこれについて、状況が根底から覆されかねない事態だと指摘した。
発症する数日前、あるいは数週間前の患者から感染する可能性があるとすれば、その患者の接触した相手を突き止めて隔離する対策は極めて難しくなる。
「つまり、我々が当初考えていたよりもずっと感染性が強いことになる」「予想していた以上に悪い事態だ」とシャフナー氏は危惧する。
発症前の患者からも感染が広がり得ると判断した理由について、馬氏は明らかにしなかった。しかしこの見解が正しいとすれば、米国で感染が確認された5人は、たとえ症状が出ていなかったとしても、武漢市から米カリフォルニア州やワシントン州などに渡航する途中で、人にウイルスを感染させ得る状態だったことになる。
CDC国立予防接種・呼吸器疾患センターのナンシー・メッソニエ所長は26日、米国で一般の人が新型コロナウイルスに感染するリスクは依然として低いと強調、「CDCでは、発症前の患者からも感染することを裏付ける明白な証拠はつかんでいない。しかしその可能性について積極的に調査している」と述べ、「我々は、これがパンデミック(世界的な大流行)だった場合に備える必要がある。だがそうではないことを願う」と言い添えた。
新型コロナウイルスは、これまでに中国で数千人が感染して50人以上が死亡、米国やフランス、カナダなどでも感染が確認されている。