トルコから流入の難民、ギリシャ軍が「身ぐるみはがし追放」か
トルコ北西部パザルクレ国境検問所(CNN) トルコ北西部エディルネ県から国境を越えてギリシャ側へ入ろうとした難民らが、ギリシャ側の治安部隊に持ち物を奪われ、裸同然で追い返されているとの情報が8日までにわかった。
CNNは複数の男性が国境の川越しに、下着姿でトルコ側へ戻る場面の映像を入手した。トルコ国営放送が撮影したとされるが、CNNは状況の真偽などを確認していない。国際人権団体には近年、同様の証言が数十件寄せられているが、ギリシャ当局は一貫してその内容を否定してきた。
CNNにはこの数日間でシリア、アフガニスタン、モロッコ、パキスタンからの難民男性数人が、ギリシャ治安部隊から受けた扱いについて語っている。
シリア出身の男性(20)は「武装した軍か警察」の集団に殴られ、下着姿で追い返されたと話す。歩けないほどのけがを負った仲間もいるという。身分証明書と衣服は焼かれ、携帯電話と現金も奪われた。
幼い息子を抱いたアフガン人の男性(23)は家族で国境を越え、5時間ほど歩いたところで治安部隊につかまった。持ち物を取られ、棒のような物で殴られて追放されたという。
ギリシャのミツォタキス首相は6日、CNNとのインタビューで、同国には国境を守る権利があると強調。過剰な武力は行使していないと改めて主張した。
トルコは2016年、経済支援と引き換えに欧州へ難民を流入させないとの協定を結んでいた。しかしシリアからの難民増加を受けて、エルドアン大統領が先週末、欧州への国境を開放。ギリシャはこれに反発し、国境に治安部隊を派遣した。
トルコ側はギリシャ軍が4日、難民に実弾を発射して1人が死亡、5人が負傷したと非難したが、ギリシャ側は否定している。