EU離脱の英国、マンションに差別的な張り紙で警察捜査
(CNN) 英国が欧州連合(EU)から離脱した先月31日、イングランド東部ノリッジの高層マンションで移民らを攻撃する内容の張り紙が見つかった。市当局は「容認できない」との姿勢を示し、警察が捜査に乗り出している。
「ハッピー・ブレグジット(EU離脱)デー」と題したこの張り紙は、31日午後11時の正式離脱より数時間前に見つかった。「我々の偉大な国をついに取り戻した」と宣言し、純正な英語とされる「クイーンズイングリッシュ」をマンション内の公用語として、それ以外は認めないと断じる文面だった。
ほかの言語を話したい者は自分の国へ帰り、マンションの部屋を地元当局に返還するべきだと主張。そうすればここに英国人が住めるようになり、移民らに「汚染される」前の「正常な状態」に戻れるとも書いてあった。
Someone I follow just shared this photo of a sign he saw attached to a front door in a block in Norwich.
— Simon Price (@simon_price01) February 1, 2020
Brexit has encouraged and emboldened these people. It will get worse.
Do whatever you can to support immigrants who face this shit. We all need to stand strong against it. pic.twitter.com/9IbB3ztOkO
住人には翌日、市当局の担当者から通知があった。管理者がすぐに張り紙を撤去し、現場にとどまって監視を続けたという。担当者はツイッターを通し、「このような行為は容認しない」と強調した。
地元警察は当局からの通報を受け、人種差別により公共の秩序を乱した犯行として捜査していることを確認した。
住人の男性(68)はCNNに、「普段は穏やかなマンションなのに驚いた」と話し、離脱で勢いづいた「ファシスト」の仕業との見方を示した。かれらは2016年の国民投票で離脱が決まった時にも勢いづいたが、それもやがて収まったと指摘。「こういうやからにはかまわず、忘れたほうがいいとも言える」と語った。
張り紙の画像はツイッター上で共有され、「ぞっとする言葉だ」「このままでは悪化するばかり。みんなで立ち向かおう」というコメントも書き込まれた。