英下院、首相の離脱法案の概要可決 1月離脱へ前進

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首相官邸前で手を振るジョンソン首相=19日/Frank Augstein/AP

首相官邸前で手を振るジョンソン首相=19日/Frank Augstein/AP

ロンドン(CNN) 英下院は20日、ジョンソン首相がまとめた欧州連合(EU)離脱関連法案の基本方針を可決した。3年間に及んだ国内政治の攻防を経て、英国は来年1月のEU離脱に向けて進みだした。

与党・保守党は12日の総選挙で「離脱実現」を公約に掲げて圧勝。離脱案批准に向け下院での最初の関門となった今回の採決は、賛成358、反対234で可決された。与野党議員がおおむね党派に沿って賛否を投じた。

これによって英国は来年1月31日にEUから離脱する見通しが強まった。その後は移行期間に入り、11カ月以内に将来の英・EU関係について合意することを目指す。

下院での可決は重要な成果となる。ジョンソン氏の前任、メイ前首相は下院で三たび離脱案を否決された。EU離脱危機が手に負えない状況となる中、可決が見通せない時期もあった。

ただ、ジョンソン氏にとっての本当の仕事はここから始まる。ジョンソン氏は総選挙後に離脱法案から移行期間延長の可能性を排除した。事実上の「合意なき離脱」を避けるための期間は1年しか残されていない。

ジョンソン氏は20日、採決直前に議会で演説し、「今こそ一丸となって我が国の物語に新たな胸躍る一章を記し、欧州の友人と新しい関係を築いて、世界に存在感を示すときだ」と述べた。

一方、総選挙大敗で窮地に立つ野党・労働党のコービン党首は、ジョンソン氏の離脱案について「地域社会を引き裂き、公共サービスを売り渡し、数十万の雇用を犠牲にする」恐れがあると指摘した。

メイ前首相が提示していた北アイルランドのバックストップ条項も、北アイルランドと英国の残りの地域を隔てるアイルランド海を事実上の関税の境とする案で代替されることになる。保守党政権に協力する民主統一党はこれに対して怒りの声を上げたが、今回の総選挙で大勝したジョンソン政権は他党への配慮が必要ない状況となっている。

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