新型コロナ、通常は5日で発症 空港検査も潜伏期間中は検知できず 米研究
(CNN) 新型コロナウイルス感染症は、感染してから約5日で発症する傾向があり、ほぼ全例が2週間以内に発症しているという調査結果が、9日の米内科学会誌に発表された。
この調査は、感染の可能性がある人を14日間隔離する措置が適切だったことを裏付ける一方で、空港などで実施している検温のような検査だけでは感染者を見落とす可能性があることも分かった。
米ジョンズホプキンズ大学のジャスティン・レスラー准教授の研究チームは、新型コロナウイルス感染症の潜伏期間を推定するため、国外旅行が原因と思われる180あまりの症例について調査した。
この調査は、地域社会で感染が広がるコミュニティー感染がまだ中国・武漢市に限られていた当時に実施された。そのため武漢市にいた時期をウイルスに接触した時期と推定して、発症するまでの日数を調べることが可能だった。
その結果、通常は感染から約5日で発症していて、12日目以降に発症するケースはほとんどないことが分かった。
一方でレスラー氏は、「もし潜伏期間中であれば、感染した人が入国しても、症状に基づく検査では検知できない可能性がある」と指摘する。
それを裏付けるような数字として、米疾病対策センター(CDC)が2月末に公表した最新統計によると、航空機の乗客4万6000人あまりに対して行った発熱やせき、息切れなどの症状に対する検査の結果、陽性反応が確認されたのはわずか1例のみだった。