WHOトップへの人種差別攻撃、中国の「情報操作」と台湾
(CNN) 台湾の法務部(法務省)の捜査部門は10日、台湾の住民を装った中国のネットユーザーが世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長に対する人種差別の攻撃を仕掛けていたことが判明したと発表した。
台湾の中央通信社が伝えた。テドロス氏が8日の記者会見で、台湾を名指しし過去数カ月間、自らの名前を出し「黒人やネグロ」などと呼ぶ人種差別的な攻撃を行っていると主張したことを受けた発表となっている。
テドロス氏は黒人であることを誇りに思っており、「私は気にしない」とも反論していた。同事務局長は新型コロナウイルスの問題をめぐりスイス・ジュネーブにあるWHO本部で連日会見を開いている。
中央通信社によると、中国の多数のネットユーザーがこの人種差別の攻撃の書き込みをしたことを認めるメッセージが増大していることを突き止めた。法務部捜査部門がこれらユーザーを追跡し、中国本土にいることを割り出したという。台湾の国際的な評判をおとしめる意図的行為だったとも断定した。
台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統は9日、テドロス氏の台湾への非難に強い抗議を表明。台湾は常に差別のあらゆる形態に強く反対してきたとも主張。
「我々は長年、国際組織から締め出されており、誰よりも差別や孤立の意味合いを知っている」と強調した。