アマゾン孤立部族の少年死亡、新型コロナ陽性 先住民への影響に懸念
(CNN) ブラジル保健省は11日までに、新型コロナウイルス感染症の検査で陽性反応を示していたアマゾン孤立部族の少年が、9日に死亡したと明らかにした。新型コロナの影響が地域の先住民に及ぶことに懸念が高まっている。
保健省によると、死亡したのはヤノマミ族の15歳の少年で、ウラリコエラ川流域にある村の出身。
少年は今月3日から、北部ロライマ州の州都ボアビスタにある病院で集中治療室に入っていた。病院は死因を明らかにしていないという。
ブラジル保健相は8日の記者会見で、少年が新型コロナ感染症の陽性反応を示したと発表し、先住民の健康に懸念を示していた。
先住民の権利保護に取り組む団体「サバイバル・インターナショナル」によると、ヤノマミ族はブラジル北部とベネズエラ南部の熱帯雨林や山間部に暮らす。南米の比較的孤立した部族としては最大規模で、現在の人口は推計3万8000人に上るという。
ブラジルの非政府組織「社会環境研究所(ISA)」は感染経路について、先住民の領域に違法に立ち入った鉱山労働者を通じてウイルスが部族内に広がったとの見方を示した。
ISAはウェブサイトに発表した声明で、「ヤノマミ族は他の先住民と同様、新型コロナ感染症の影響に対して非常に脆弱(ぜいじゃく)であり、早急な保護が必要だ」と訴えている。
ブラジル先住民連合(APIB)によれば、国内で新型コロナ感染症のため死亡した先住民は少年が3人目。
米ジョンズ・ホプキンズ大学システム科学工学センターによると、ブラジルでは10日時点で1万8176人以上が感染、957人以上が死亡している。