インドの二酸化炭素排出量、40年ぶりに減少
(CNN) インドの二酸化炭素(CO2)排出量が40年ぶりに前年比で減少に転じたという調査結果を、気候変動分析サイトの「カーボン・ブリーフ」が12日に発表した。景気減速や再生可能エネルギーの使用増加、新型コロナウイルス対策の都市封鎖が影響したと分析している。
インドではこの1年の間に、需要低下や再生可能エネルギーとの競争に押されて火力発電に対する需要は減退していた。
しかし新型コロナウイルス対策の都市封鎖によって、3月はさらに需要が急減し、火力発電の伸びは30年ぶりにゼロを下回った。CO2排出量は3月に推定15%減少し、4月は30%減ったと推定している。
研究チームは石油、ガス、石炭の消費量を調べ、CO2の排出量は3月までの1年間で3000万トン減ったと推定。排出量が前年比でこれほど減ったのは40年ぶりかもしれないとしている。
インドは新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるため、3月25日に全土の都市封鎖に踏み切った。工場や市場、商店、礼拝所などは閉鎖され、公共交通機関は大部分が運行を停止、建設作業も中断された。
大統領府の上に広がる青空=インド首都ニューデリー/Jewel Samad/AFP/Getty Images
この影響で電力需要が落ち込んで石炭に対する需要も減少。石炭を燃料とする火力発電は3月に15%減、4月は最初の3週間で31%減となった。一方、再生可能エネルギー発電は3月に6.4%増え、4月は1.4%減少した。
石油消費は2019年初めから減速傾向が続いていたが、新型コロナウイルス対策の都市封鎖が輸送機関の石油消費に「劇的な影響」を与え、2020年3月の消費量は前年比で18%落ち込んだ。
3月までの1年間の石油消費は0.2%の微増だった。しかし新型コロナの影響で22年ぶりの低い伸びになった。