ロシア、新型コロナワクチンで米国に協力申し出 米側は難色
モスクワ(CNN) ロシアの当局者は14日までに、CNNに対し、新型コロナウイルスのワクチンや治療薬の迅速な供給を目指す米国の「ワープ・スピード作戦」に協力を申し出たことを明らかにした。
ただ、米国は今のところ協力の受け入れに積極的ではないという。
ロシア当局高官はCNNの取材に、「米側にはロシアに対する一般的な不信感がある」と指摘。これが原因となり、米国ではワクチンや検査、治療薬を含む技術の採用が進んでいないと述べた。
ロシアのプーチン大統領は11日、新型コロナワクチンを正式に承認したと発表し、すでに娘が接種を受けたことを明らかにした。ただ、試験は未完了で、一部の専門家からはロシアの主張に懐疑的な声も上がる。
ホワイトハウスのマクナニー報道官は13日、トランプ大統領がロシアの新型ワクチンについて報告を受けたと説明。米国のワクチンの場合は「厳格な」第3相試験を実施し、高い基準を適用するとしている。
他の米当局者によれば、米国ではロシアのワクチンは完成度が不十分とみられているため、真剣な関心を引くことすらなかったという。米公衆衛生当局者のひとりは「米国では人間はもちろん、サルにも絶対にこれ(ロシアのワクチン)を試験投与しない」と切り捨てた。
世界では現在、20種類以上のワクチンの臨床試験が進んでいる。有効なワクチンの発見に向けた競争には健康面にとどまらない世界的な影響があり、開発や製造に成功した企業に膨大な売り上げが入る可能性もある。