ベラルーシで5万人規模のデモ、大統領選のやり直し求め
(CNN) ベラルーシの首都ミンスクで16日、大統領選のやり直しを求める大規模なデモが実施された。その近くではルカシェンコ大統領が集会を開き、支持者らを前に演説した。
抗議デモの規模について正式な発表はないが、現地のCNN取材班によると午後3時の時点で5万人前後が参加していたとみられる。
ルカシェンコ氏の集会については内務省が参加者6万5000人と発表したが、取材班によれば1万人足らずだったと推定される。市中心部では集会に先立ち、人々がバスで連れて来られる場面も目撃された。
ベラルーシでは9日の大統領選でルカシェンコ氏の6選が決まったのに対し、不正疑惑が指摘されている。
対立候補の野党指導者、チハノフスカヤ氏は隣国リトアニアに脱出。この1週間の抗議デモで数千人が拘束された。
ルカシェンコ氏は16日の演説で、ベラルーシが外国の介入に脅かされていると主張した。「西側の国境沿いで兵力が増強され、リトアニアとポーランド、ウクライナから選挙のやり直しを命じられている。言うことを聞いてしまえば我々は滅びる」と訴えた。
政府支持の集会に参加した人々=16日、ミンスク/Misha Friedman/Getty Images Europe/Getty Images
これに対し、リトアニアやポーランドが加盟する北大西洋条約機構(NATO)の報道官は兵力増強を否定。東方に配備している兵力は自衛と平和維持が目的で、他国に脅威を及ぼすことはないと強調した。ベラルーシの政権は平和的な抗議行動の権利を尊重するべきだとも述べた。
同国のリェシェニャ駐スロバキア大使は15日、国内紙を通して公開したビデオの中で、抗議デモへの支持を表明した。
一方、ベラルーシ国防省は同日、北東部の国境沿いで17~20日に実戦演習を実施すると発表した。