中国潜水艦が地下基地を使用する場面か、衛星写真が波紋
香港(CNN) インターネット上で今週、中国の潜水艦が南シナ海の海南島で地下基地を使用する場面とみられる衛星写真が拡散し、軍事ウォッチャーの間で波紋を広げている。
この衛星写真は、米衛星画像企業プラネット・ラブズが「ラジオ自由アジア」のSNSアカウントに最初に投稿した。画像には093型攻撃型原子力潜水艦とみられる艦船が、楡林海軍基地の地下施設につながるトンネルに入る様子が写っている。
ネット上では投稿直後からスパイ映画と比較する声が上がり、ツイッター利用者の1人はジェームズ・ボンドに言及。ジュール・ベルヌの小説「海底二万里」に登場する架空の潜水艦「ノーチラス号」に言及するユーザーもいた。
楡林基地は海南島の南端に位置する中国海軍の主要施設のひとつ/Couresty Planet Labs Inc.
米国防総省の元当局者で、現在はシンガポール国立大リー・クアンユー公共政策大学院に所属するドリュー・トンプソン氏は、同潜水艦をとらえた写真は珍しいと説明。「商業衛星が(雲のない日に)適切なタイミングで上空を通過するのは異例だ」と指摘する。
トンプソン氏によると、中国政府は潜水艦から内陸部のミサイルシステムに至るまで、多くの軍装備品を地下に隠している。海岸線には特に注意を払っており、「沿岸部は攻撃に対して非常に脆弱(ぜいじゃく)だという認識が染みついている」という。
楡林基地は海南島の南端に位置し、中国海軍の資産を守ることを目的とした主要施設のひとつ。
非営利団体の核脅威イニシアチブによると、今回の潜水艦が093型だとすれば、中国が保有する6隻のうちの1隻とみられる。093型には3種類あり、魚雷や巡航ミサイルの搭載が可能だという。