マレーシア、中国漁船6隻を拘束 領海侵犯で
香港(CNN) マレーシアの海事当局は13日までに、領海を航行中の中国漁船6隻を停止させ、中国国籍の60人を拘束したことを明らかにした。中国は複数の国が領有権を争う現在の南シナ海で、存在感を高めている。
拘束が行われたのは10日。現場はシンガポールとの国境に位置する南部ジョホール州の東の沖合だった。漁船は中国北部の秦皇島市で登録されており、西アフリカのモーリタニアに向かう途中だったという。
マレーシアでは、2016年から19年にかけて中国の沿岸警備隊や海軍の船舶による領海侵犯が89件報告されている。資源が豊富で主要な貿易ルートともなっている南シナ海をめぐっては、中国政府がほとんどの範囲で領有権を主張しており、米国との間で緊張が高まり続けている。
漁船の船員らが拘束された当時、中国の王毅外相は、4日間の日程で東南アジア諸国連合(ASEAN)に加盟するカンボジア、マレーシア、ラオス、タイ、シンガポールを歴訪中だった。米国政府からの圧力が増し、新型コロナウイルスの影響も継続する中、地域的な結びつきを強化する狙いがあったとみられる。
一方、東シナ海では、日本が領有権を主張する尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺に中国の公船2隻が相次いで侵入した。海上保安庁が12日に明らかにした。
海保によると、中国船は11日から侵入しており、航行する日本漁船に接近を試みて同海域から退去させようとするなどしていた。中国側は現場海域を自国の領海と認識している。
日本政府はこうした尖閣諸島周辺への侵入について、中国側に抗議を行っている。海保は今回が過去22日で18回目の侵入だったとしている。