ミャンマー軍が空爆、越境避難の2千人をタイが強制退去の報道
タイ・バンコク(CNN) ミャンマーで実権を握った国軍が南東部のカレン州で空爆を行い、住民が隣国タイに避難した。タイは入国を試みた2000人以上を退去させたと伝えられている。
活動家団体のカレン情報センターによると、タイとの国境を越えた避難民たちは、直後にミャンマーへ強制的に戻され、これまでに2009人が国内の密林に身を隠した。
カレン州ではカレン族の武装勢力が支配する村落に対してミャンマー軍機が空爆を実施、数千人の住民が自宅から避難した。ロイター通信の報道によると、タイとの国境地帯を支配するカレン民族同盟(KNU)は、国境に近い軍の拠点を制圧し、10人を殺害していた。
ミャンマーの政治犯を支援する団体AAPPによれば、軍が2月1日のクーデターで実権を握って以来、治安部隊に殺害された人は少なくとも510人に上る。29日には子どもや若者を含む14人が射殺された。
KNUによると、軍の空爆を逃れた3000人はサルウィン川を渡りタイに入ったが、2000人が押し戻されたという。
カレン州とタイの難民キャンプで活動するカレン女性機構(KWO)も、空爆によってカレン州の住民1万人が自宅からの避難を強いられ、3000人がタイとの国境を越えたことを確認した。
タイのプラユット・チャンオチャ首相は30日の記者会見でミャンマーからの難民について、「自分たちの国にどんな問題があるのかと尋ねたところ、『問題はない』という答えだった。問題がないのであれば、当面は帰国できるのではないか。我々が銃を突き付けて(帰国を)強制したわけではない」と述べ、当局が難民をミャンマーに強制退去させたわけではないと強調した。