サルの「搾取」疑惑でココナツミルクの販売停止、米小売り大手
ニューヨーク(CNN Business) タイ企業のココナツミルク製造にサルが強制的に利用されているなどとの米動物権利擁護団体の調査結果を受け、米小売業大手「ターゲット」がこの製品の販売を中止したことが30日までにわかった。
同団体「PETA」が声明の中で明らかにした。PETAはタイ企業の「テパドンポーン・ココナツ」社はサルを搾取しながら、その事実についてうそを付いたと主張している。
米小売業大手の「コストコ」も昨年10月、問題の「チャオコー・ココナツミルク」を売るのを停止していた。
PETAは調査で、サルは強制的にココナツ収穫に駆り出され、古いタイヤに鎖で縛り付けられ、自分の体よりわずかに大きい檻(おり)の中での生活を強いられていることなどが判明したと指摘。
タイ国内のココナツ栽培産業ではサルの労働力の搾取が広範になされ、慣行の改善に踏み切った企業もあるが、調査の対象になった際、サルを隠す企業もあると説明した。
ターゲットはCNNビジネスの取材に、PETAの調査結果を重く受け止めているとの立場を表明。社として指摘された懸念に十分対応出来ない立場を踏まえ、問題の製品を昨年11月に店内から排除したと述べた。
チャオコーはココナツミルクや他のココナツ関連製品では世界最大手の1社。テパドンポーン・ココナツ社と共にCNNのコメントの求めには応じていない。ただ、同社はUSAトゥデー紙に第三者によるココナツ農園の調査を実施したが、収穫にサルを動員する実態は見つけられなかったと述べた。