ロシアのプーチン大統領、新START延長法案に署名
モスクワ(CNN) ロシアのプーチン大統領は29日、米ロ間の主要軍縮条約である新戦略兵器削減条約(新START)の延長を批准する法案に署名した。ロシア大統領府が声明で明らかにした。新STARTは失効が1週間後に迫っていた。
大統領府によると、同条約は2026年2月5日まで5年間延長される。米国はトランプ前政権下の19年、ロシアとの中距離核戦力(INF)全廃条約から離脱しており、新STARTは米ロ間に残る最後の主要核軍縮条約になっている。
プーチン氏とバイデン米大統領は26日、電話で会談し、条約延長に関する外交文書を交換したことに「満足」の意を示していた。ロシア議会は27日に条約延長を批准する法案を可決した。
新STARTは10年、当時のオバマ米大統領とロシアのメドベージェフ大統領の間で最初に署名されたもので、有効期間は10年間だった。条約発効は11年2月5日。
同条約では両国が保有できる戦略攻撃兵器の数を制限している。
条約は米ロ双方に対して大陸間弾道ミサイル(ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)および重爆撃機を700基・機以下、配備済みのICBM、SLBMおよび重爆撃機に搭載される弾頭を1550発以下とする上限を設定。未配備のものも含めたICBM発射基、SLBM発射基および重爆撃機ついては800基・機が上限となる。
ロシア大統領府は声明で、「条約更新はロシア連邦の国益にかなう。米ロ間の透明性と戦略関係上の予測可能性を維持し、世界の戦略的安定を支えることが可能になる。国際情勢に良い影響をもたらし、核軍縮のプロセスに寄与する」とした。
先週には米ホワイトハウスのサキ報道官も、新STARTは米国の国益に資するとの認識を示していた。