毒物盛られたロシア反体制指導者、プーチン氏が尾行を命令と「100%確信」
(CNN) ロシア反体制派指導者アレクセイ・ナバリヌイ氏がロシア連邦保安局(FSB)のエリート部隊に追跡されて毒を盛られとされる事件をめぐり、ナバリヌイ氏が15日にCNNのインタビューに応じ、プーチン大統領が事件前の長期に及ぶ尾行作戦を知っていたのは間違いないと語った。
ナバリヌイ氏は「私はプーチンが認識していたと確信している」と述べ、「あれほどのスキル、あれほどの期間をかけた作戦が、FSBのボルトニコフ長官の指示なしに存在するはずがない。そして同氏はプーチン大統領の直接的な命令がなければ決して敢行しない」と指摘した。
英調査報道機関ベリングキャットやCNNが実施した調査では、今年8月にシベリアを訪れたナバリヌイ氏を、FSB要員5~6人で構成する2つのチームが追跡していたことが判明した。この中には毒物や神経剤の専門要員も含まれていた。
ロシア政府はこの報告に対して反応を示していない。ただ、ナバリヌイ氏が毒を盛られた事件への関与は以前から否定していた。
ナバリヌイ氏は8月20日にシベリアのトムスクから首都モスクワへ向かう機内で体調が悪化。後に猛毒をもつ神経剤のノビチョクを盛られていたことが分かり、欧州連合(EU)はボルトニコフ長官を含むロシア高官に制裁を科していた。
ベリングキャットとCNNの調査では、FSBチームが2017年以来30回以上にわたり、モスクワとの間を往復するナバリヌイ氏の一行を追跡していたことが分かっている。
これについてナバリヌイ氏は「これでソーセージがどう作られたかを、我々全員が理解した」とコメントしている。