ロシア製ワクチン、プーチン大統領は未接種 有効性90%以上と発表
モスクワ(CNN) ロシアで開発されている新型コロナウイルスのワクチン「スプートニクV」は90%以上の予防効果があるとされる一方、プーチン大統領にはまだ接種されていないことが分かった。
ペスコフ大統領報道官は24日の電話会見で、「大統領が未認定のワクチンを使うことはできない」と述べた。
スプートニクVをめぐっては、プーチン氏が今年8月、臨床試験(治験)の最終段階である第3相試験が始まる前に、「世界初」のワクチンとして一般向けの接種を承認したと発表。自身の娘も接種済みだと話していた。
ペスコフ氏は「認定」と「承認」の違いを説明せず、「集団接種はまだ始まっていない。国家元首がボランティアとして接種に参加することは不可能だ」と語った。治験はまもなく完了する見通しだという。
スプートニクVを開発しているガマレヤ研究所と出資元の政府系ファンド「ロシア直接投資基金」は24日、治験の参加者1万8794人について第1回接種から28日後、第2回から7日後のデータを分析した結果、91.4%の予防効果が認められたと発表した。新型コロナウイルス感染が確認された39人のうち、31人はプラセボ(偽薬)、8人がワクチンを接種したグループだったという。
米製薬大手が開発しているワクチンの有効性は、モデルナ製が94.5%、ファイザー製が95%と発表されている。
スプートニクVはこれらに比べて格段に安いのが特徴とされる。ロシア国民には無料で2回接種され、国外での価格は1回分10ドル(約1050円)以下となる見通し。また英製薬大手アストラゼネカのワクチンと同様、一般的な冷蔵庫の温度(2~8度)で保管できるという。