ドイツ、反ロックダウン団体を監視対象に 極右とつながり
ベルリン(CNN) ドイツの情報機関は新型コロナウイルス流行に伴うロックダウン(都市封鎖)に反対する活動家に連邦政府の正統性を損なう動きがあるとして、新たに監視対象に加えた。
連邦憲法擁護庁(BfV)は28日、「クエアデンカー」の一部メンバーを監視対象とすると発表した。この団体は新型コロナやワクチンに対する懐疑論を含む陰謀論を広め、暴力的な反ロックダウンの抗議運動に関与した。
ゼーホーファー内相は当局は同国の法の支配を守る義務があり、「右翼の過激派が(こうしたイベントを)支配しようとしている。暴力は全く容認できない」と発言。人々には意見を表明する権利がある一方、過激主義は許さないと語った。
同団体の名称は「既存の枠にとらわれない思考」や「水平思考」を意味し、流行初期からロックダウンに抗議をしてきた。警察と衝突したりメディア関係者を攻撃することも頻繁にあった。
昨年12月にはバーデン・ビュルテンベルク州の憲法擁護庁が監視対象となっていると公表するなど、いくつかの州は既に対応を明らかにしていた。
同州は同団体が「過激主義やイデオロギー的陰謀論、反ユダヤ主義を、コロナ流行の封じ込め措置に対する合法的な批判と意図的に混ぜ合わせている」と指摘。極右の2団体や陰謀論Qアノンとのつながりがあるとの見解を示していた。
ドイツは新規感染の封じ込めに苦慮しており、感染率の高い地域では新たに「緊急抑止」ルールを適用。初めて連邦政府に各州にロックダウンを課す権限を与えた。
ドイツの国立感染症研究機関「ロベルト・コッホ研究所(RKI)」によると、同国では直近24時間で2万4736人が感染。死者数は264人増え、累計で8万2544人となっている。