ラオス北西部でコロナ流行、中国人経営のカジノ付近で発生
キングズ・ローマンズやトンプン郡は100平方キロに及ぶゴールデン・トライアングル経済特区(GTSEZ)にあり、チャオ・ウェイ氏という中国人が一帯を運営している。米財務省はこの人物を、児童売春や野生生物の違法取引、薬物密売に権益を持つ犯罪組織の運営にこの地域を利用していると批判する。
この特区は世界で最も利益を上げている違法薬物の製造拠点とみられるミャンマー国内の地域と隣接している。
チャオ氏はこうした批判を否定し、自身はGTSEZを主要な観光地へと変え、世界で最も貧しい地域の一つに雇用を生むことを目指すまっとうな投資家だと語る。チャオ氏は中国の対話アプリ「微信(ウィーチャット)」にラオス政府の当局者とたびたび登場している。
GTSEZはウィーチャットを通じて住民に社会的距離の確保を呼びかけている。5人を超える集まりは禁止され、濃厚接触者は自宅隔離や定期的な検査実施が義務付けられている。
それでもボケオ県の感染例は増えている。9日にはラオス全土69件のうち46件、10日には同25件のうち15件がボケオ県での感染だった。
ラオスではこの数週間、新型コロナ感染が急増している。首都ビエンチャンでの感染拡大は先月中旬に行われた旧正月の祭りが原因とみられている。これまでの感染者数は1327人で、ビエンチャンで730人、ボケオ県で284人。9日には新型コロナによる初の死者も出ている。