誤ってワクチン6回分投与、体調に異変なし イタリアの女性
(CNN) イタリア中部トスカーナ州にある病院の報道担当者によると、同病院で9日、新型コロナウイルスワクチンの接種を受けた23歳の女性が、一度に6回分の量を誤って投与された。女性は院内での観察を経て、10日に帰宅したという。
病院の報道担当者が10日、CNNに語ったところによると、女性に基礎疾患はなく、健康状態は良好。同病院の心理部門で研修中だったため、同年代の一般市民より前に接種が可能になった。
病院スタッフが注射器6本分のワクチン1びんを全て1本に充てんし、女性に投与した。直後に空のままの5本を見て間違いに気付いた。
医師らは院内で24時間、女性の体調を細かく観察した。今後も引き続き、大量投与に対してどのような免疫反応が起きるかを監視する方針だ。
病院側は内部調査を進めている。同担当者は「単なる人的ミスだった可能性がある。意図的でなかったことは確かだ」と述べた。
イタリア政府は先月初め、全ての医療従事者と薬局従業員にワクチン接種を義務付けると発表した。接種を拒否した場合は患者と接触しない職務への配置換え、それが不可能な場合は無給の停職処分となる。義務化の合憲性を疑問視する声もあり、今後法廷闘争に発展する可能性が指摘されている。