中国で離婚件数が7割減 「冷却期間」の導入受け
香港(CNN) 中国で今年1~3月の離婚件数が、昨年10~12月と比べて72%減少したことが分かった。今年から離婚成立の前に「冷却期間」が設けられた影響とみられる。
中国民政部(総務省に相当)の統計によると、今年1~3月に成立した離婚は29万6000件と、昨年10~12月の106万件を大幅に下回った。昨年1~3月の61万2000件と比べても52%減となった。
中国の民法では今年1月1日から、離婚の届け出をした後に30日の冷却期間が設けられた。この間にどちらかが撤回しなければ改めて両者が申請し、最終的に離婚が成立する。
この法律に対しては、個人の自由を侵害し、不本意な結婚や家庭内暴力からの逃げ道を断つ恐れもあるとの批判が集中した。
だが政府側は、安定した家庭と社会の秩序を維持するための規定だと主張する。
中国では近年、離婚件数が増加の一途をたどってきた。出産奨励政策を取り始めた当局はこれを重大な問題ととらえ、冷却期間の導入に踏み切った。新たな法律の施行を前に、昨年は駆け込み離婚が相次いだと伝えられる。
離婚前の冷却期間はフランスや英国でも設けられている。中国当局は「衝動的な離婚」を防ぐためのルールだと主張し、家庭内暴力の被害者は裁判で離婚を求めることもできると指摘する。だが実際には1回の訴訟で離婚が認められるケースはめったになく、手続きには多くの時間と費用がかかる。
今年1月には湖北省の女性が夫に殺害された事件をめぐり、冷却期間との関連を疑う声がインターネット上で広がった。