ジャカルタ住民の半数近くがコロナ感染か 抗体検査で判明
感染力の強いデルタ変異株の拡散とともに、同国では連日、何万人もの新規感染者と最大1000人の死者が報告され、ジャカルタがあるジャワ島などで医療体制がひっ迫している。
インドネシア大学の疫学者、パンドゥ・リオノ博士によると、3月の検査では人口密集地の住民や太り過ぎの人、血糖値が高い人の感染リスクが高いことも分かった。抗体を持つ人が最も多い年代は30~49歳で、男性より女性の感染率が高かった。
人口の一定割合以上が免疫を持つと「集団免疫」が達成されるが、ジャカルタのように人の流れや出入りが多い都市で集団免疫を成立させるのは難しいと、研究チームは指摘する。新型コロナウイルスに感染することで得られる免疫の強さや持続期間も、今のところはっきり分かっていない。同チームはそれよりも、住民へのワクチン接種に重点を置くべきだと主張する。
CNNの集計によると、インドネシアで接種を完了した人は全人口の5.5%。保健省のデータによれば、ジャカルタ市内では人口の約18%に相当する195万人あまりが接種を完了した。
同国では接種を開始した今年1月以降、中国シノバック製のワクチンを使ってきたが、接種後の医療従事者数百人が感染し、数十人が入院した。
国営アンタラ通信によると、ブディ保健相は9日、変異株への免疫を強化するためとして、医療従事者全員に米モデルナ製のワクチンを追加接種すると発表。先週末には米国から第1弾が出荷された。