中国、WHOのコロナウイルス起源の再調査拒否
(CNN) 中国の国家衛生健康委員会の曽益新副主任は24日までに、世界保健機関(WHO)が計画する新型コロナウイルスの発生源に関する2次調査には加わらないとの考えを示した。
北京での記者会見で、大規模な感染拡大が最初に始まった中国・武漢の研究所の起源説が2次調査の課題の1つとして位置づけられたことへの驚きを表明。「常識を敬わず、科学に背いている。我々が受け入れることはできない」と主張した。
WHOのテドロス事務局長は先に、ウイルスの起源に関する調査に関連し、感染拡大初期などでの生データの入手が課題になっているとし、実質的には中国に対し透明性の確保、開放的かつ協力的な情報提供を要請。
第1段階での調査作業では進展が一部見られたものの、対処すべき課題も一部把握出来たと指摘。感染拡大初期での生データの獲得をそのひとつとし、調査の第2段階で必要となる材料とした。
WHOは今年3月、武漢などで実施した1次調査の暫定報告書を発表し、動物を介して人間に感染したとみられるとの見方を示していた。ただ、主要7カ国首脳会議(G7サミット)の参加国を含めた欧米諸国では報告書の正当性を疑う見方が強まっていた。
バイデン米大統領は、西側の専門家らは研究所の実験失敗の有無を見極めるのに必要な主要な研究所への立ち入りなどがまだ許されていないとも指摘。米国の情報機関に対しコロナ禍の経緯を探るよう新たに指示してもいた。
1次調査作業の監督管理に携わったWHOチームの1人は今年3月、武漢の研究所からのウイルス流出説の解明には動物媒介説と同一程度の注意や作業量が向けられていなかったとも明かしていた。