ベラルーシ大統領、国内での抑圧否定 米国の「無法」を非難
ミンスク(CNN) ベラルーシのルカシェンコ大統領は9日、国内外のメディアからの質問に答え、ベラルーシに国家による抑圧は存在しないと主張した。首都ミンスクでのこの会見には一般市民も招かれ、大統領に質問した。
「ベラルーシでの抑圧を利用するのは、自分で自分を撃つようなものだろう」と、ルカシェンコ氏は述べた。自国の抗議デモ参加者に対する暴力的な弾圧についての質問に答えた。ベラルーシでは昨年行われた大統領選をめぐって不正を疑う声が上がり、全国的に抗議行動が起きている。
抗議行動の抑圧と政敵の投獄について問われたルカシェンコ氏は、米国の「無法」を非難。今年1月6日の米連邦議会議事堂襲撃に言及し、米大統領選の結果について虚偽の主張を展開した。
そのうえで「世界の多くの地域で無法を働いておきながら、私に向かって抑圧を語るのか?」と反論。「私の方に抑圧は存在しない」と続けた。
ルカシェンコ氏はまた、CNNが先ごろ報じた政治犯の強制収容所とみられる施設についても発言。皮肉を込めた調子で報道官に対し、CNNの記者をもう一度施設に案内するよう促した。
CNNによる報道の後、ベラルーシの国営テレビ局ONTは同じ施設とみられる場所から動画やドローンによる映像を放送。施設は軍が武器庫として使用しているものだとし、将校などが中身を説明する様子も流した。当該の施設だとする建物の内部の映像には、軍の装備品が映っていた。
ルカシェンコ氏による会見が行われた同日、ホワイトハウスはベラルーシの政権内で人権や民主主義の弾圧に関与したとされる人物を標的とする大統領令を発令した。