ハイチでM7.2の地震 死者304人、負傷者1800人超
(CNN) カリブ海の島国ハイチで14日朝(日本時間同日夜)、マグニチュード(M)7.2の地震が発生し、アンリ首相によると少なくとも304人が死亡した。
当局の発表によると、さらに1800人以上が負傷した。アンリ氏は記者会見で、ニップ、グランダンス、西、南の4県に緊急事態宣言を出し、医薬品や医療スタッフを送り込んでいると述べた。
米地質調査所(USGS)によると、震源は南西部サンルイデュシュッドから北東12キロ、深さは10キロ。同日昼前にM5.2、正午ごろにM5.1の余震が観測された。
米赤十字によると、民家や道路、インフラ施設に相当な被害が出ている。SNSに投稿された現地の動画には、建物が倒壊し、道路にがれきが散乱した場面などが映っている。
アンリ氏は14日夕、被害状況を視察するためグランダンスを訪れた。現地からツイッターを通し、国民の連帯を呼び掛けた。
ハイチではモイーズ大統領暗殺などの政情不安と新型コロナウイルスの感染拡大、食料不安などに地震の被害が重なり、危機の深刻化が懸念される。
国内で稼働可能なヘリコプターは国連保有機のみ。被災地の中には6月以降、ギャングの抗争で孤立していた地域も含まれている。
米国のバイデン大統領は声明で被災者らに見舞いの言葉を送り、国際開発庁(USAID)を通した支援を表明した。赤十字や国境なき医師団、中南米諸国もそれぞれ支援に乗り出している。
同国で2010年1月に起きたM7.0、震源の深さ13キロの地震では建物数十万棟が倒壊し、22万~30万人の死者が出ていた。