9歳女児を強姦・殺害、聖職者含む男4人を訴追 インド
ニューデリー(CNN) インドのデリー首都圏で9歳女児が強姦(ごうかん)され殺害される事件があり、警察は28日、ヒンドゥー教の聖職者1人を含む男4人を訴追したと明らかにした。インドに広がる性暴力やカースト差別を改めて浮き彫りにする事件となった。
インド内務省によると、4人は今月2日に逮捕され、強姦や殺人、証拠隠滅などの疑いで訴追された。有罪となった場合、死刑を言い渡される可能性がある。
警察幹部がCNNに明らかにしたところによると、女児はヒンドゥー教のカースト制度で最も抑圧されている「ダリット」に属していた。今月1日、火葬場に水をくみに行った後、デリー南西部で集団強姦され殺害された疑いがある。
警察幹部は女児の母親の声明を基に、火葬場の聖職者が母親に連絡して女児の遺体を見せたと明らかにした。この聖職者は母親に対し、娘は感電死したと説明したとされる。
聖職者と火葬場の従業員3人は、警察が絡むと面倒なことになると主張して遺体を火葬するよう説得し、女児の両親の立ち会いの下、火葬が行われたという。
しかし女児の村ではその夜、村民約200人が集まって裁きを要求。その後、警察は男4人を殺人の疑いで逮捕した。
インドのカースト制度は1950年に正式に廃止されたものの、ヒンドゥー教徒が多数派を占める同国では2000年前から続く社会階層がいまだに残る。
ダリットはこのカースト制度で最も抑圧されている集団の一つで、政府の統計によると、インドの人口13億人のうちの2億100万人を占める。過去には不可触民と呼ばれ、現在でも差別や性暴力、暴行の被害に遭っている。