インド、南シナ海に海軍任務部隊を派遣へ 日米豪と共同演習も
香港(CNN) インド国防省は2日、軍艦4隻からなる任務部隊を2カ月の日程で南シナ海に派遣すると明らかにした。インドと共に戦略対話の枠組み「Quad(クアッド)」を構成する米国と日本、オーストラリアとの共同演習も実施する。
国防省の声明によると、4隻の軍艦は今月上旬にインドを離れる予定。具体的な出発日は明らかにしていない。
誘導ミサイル駆逐艦と誘導ミサイルフリゲート、対潜コルベット、誘導ミサイルコルベットからなる任務部隊は2カ月の派遣期間中、米日豪との海軍演習「マラバール2021」を含む複数の演習に参加する。
このほか、シンガポールやベトナム、インドネシア、フィリピンを含む南シナ海沿岸国の海軍と2カ国演習も実施するという。
艦砲を装備したインド海軍のフリゲート艦/AFP/Getty Images
インド国防省は声明で、こうした演習について「共通の海洋権益や航行の自由への取り組みに基づき、インド海軍と友好国との間の相乗効果や連携を強化するものだ」と述べた。
南シナ海ではここ数週間、海軍の活動が活発化している。先週には英国の空母打撃群がこの海域を通過したほか、米国の水上活動群や中国人民解放軍の部隊も演習を実施した。
中国は南シナ海のほぼ全域に自国の主権が及ぶと主張。南シナ海各地の岩礁や砂州を人工島に造成し、ミサイルや滑走路、兵器システムで要塞(ようさい)化してきた。
シンガポールにあるS・ラジャラトナム国際学研究所のリサーチフェロー、コリン・コー氏はインドによる今回の派遣について、インドとして最も明確にマラッカ海峡東方での海軍プレゼンスを誇示するものだと指摘した。
ただ、コー氏はインド艦が対立的な姿勢を取ったり、中国が領有権を主張する島の近くで航行の自由作戦を実施したりすることはないとの見通しを示した。