カブールの無人機攻撃、米2紙が誤爆の可能性を指摘
ニューヨーク(CNN Business) 米軍がアフガニスタンから撤退する直前の先月29日、首都カブールで車両を空爆した無人機攻撃について、米紙ニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストが誤爆だった可能性を指摘している。
カブールの国際空港ではこれに先立ち、過激派組織イラク・シリア・イスラム国(ISIS)の分派組織「ISIS―K」による自爆テロで米兵13人と多数のアフガン人が死亡。さらなる攻撃への懸念が強まっていた。
米軍は当時、無人機で爆弾を積んだ車を攻撃し、空港への脅威を排除したと発表した。
これに対してニューヨーク・タイムズは、現場の防犯カメラがとらえた映像や衛星画像などを駆使し、標的となった人物の直前の行動を再現。この人物はISIS関係者や爆破未遂犯ではなく、日常生活を送る支援団体の職員だったと結論付けた。
またワシントン・ポストは、空爆後の画像を分析した専門家の見解に基づき、車が爆発物を積んでいたことを示す証拠は見当たらないと伝えた。
両紙の調査チームのメンバーが12日、CNNの番組にそろって出演した。互いの取り組みに賛辞を送り合い、インターネット上でだれもが入手できる映像やデータを駆使した新たな報道形態の利点を強調した。
米紙ウォールストリート・ジャーナルの編集委員会も12日夜、両紙の報道を取り上げて「説得力がある」と評価。アフガン撤退時の米軍の無能ぶりと、アフガン人協力者への無配慮がさらに浮き彫りになったとして、バイデン政権を批判した。