ブッシュ元大統領、「国内の暴力的過激派」に言及 9.11追悼式典
(CNN) 米共和党のジョージ・W・ブッシュ元米大統領は11日、20年前の同時多発テロで旅客機が墜落したペンシルベニア州シャンクスビルでの追悼式典で演説し、「国内の暴力的な過激主義者」にも言及した。
ブッシュ氏は演説で、米国は国外からの暴力だけでなく、国内で生まれる暴力の危険にもさらされていることが分かってきたと指摘。両者の間に文化的な共通点はほとんどないが、「多元主義の拒絶、人命軽視、国家の象徴を汚そうとする意思」が共通する「汚らわしい精神」の産物だと述べ、「これらに立ち向かうことが私たちの継続的な責務だ」と強調した。
ブッシュ氏はこれまで、今年1月に起きた連邦議会議事堂襲撃事件を公の場で強く非難してきた。事件当時には「選挙結果をめぐってこんな争いが起きるのはわが民主国家でなく、まるで未開の国だ」「一部の政治指導者による見境のない行動にがく然としている」と述べていた。
首都ワシントンでは今月18日に、事件で訴追された被告らを支援する右派の集会が予定され、捜査当局が警戒を強めている。
ブッシュ氏は11日の演説で米国内の分断を嘆き、同時テロ後にみられた結束の精神とは対照的だと主張。米国民は当時、イスラム教徒への偏見を否定して、移民や難民を排斥せずに受け入れる姿勢を示したと振り返り、「それが私の知っている米国だ」と語った。
バイデン大統領はこの後、シャンクスビルでの記者会見でブッシュ氏の演説を称賛した。
この日はオバマ元大統領も含めて、同時テロ後の歴代大統領のうちトランプ前大統領以外は全員、同時テロの追悼行事に参加した。