パンデミック2度目の冬 東欧で深まる混乱、西欧も不確実性増大
ルーマニアは25日から夜間の外出を禁止し、各種施設に入場する際に健康パスの提示を義務付ける。同国ではワクチン嫌悪や政府に対する不信感に阻まれて接種が進まず、接種を完了した成人はECDCの統計で35.6%にとどまる。
隣国のウクライナでも21日に確認された症例数が2万2415例に上り、パンデミックが始まって以来最多を更新。ロイター通信によると、1日の死者は22日までに過去最高の614人に達した。
ロシアも過去最悪の状況に陥り、首都モスクワは25日から10日間のロックダウンに踏み切った。1日の症例数・死者数は過去最高を更新し続け、20日の死者は公式統計で1028人となった。
一方、西欧は以前ほど危機的な状況には陥っていないと専門家は指摘、「野戦病院が開設され、ワクチンによって間違いなく状況が変わった。その意味で、楽観視できる理由はたくさんある」と話す。ただし英国はワクチンが特効薬にならない現実を見せつけていると言い添えた。
英国で報告された1日当たりの症例数は西欧で最も多い。コロナ対策規制はこの夏、ほぼ全面的に解除されたが、専門家や医療関係者は政府に対し、マスク着用義務化の再導入やワクチンパスなどの対策を講じるよう求めている。
しかし入院患者や死者数が増える中でも政府はそうした措置を拒んでいる。緊急医療の専門家は24日、スカイニュースの取材に対し、新型コロナのために医療施設は既に「悲惨な場」と化していると述べ、英全土で救急医療現場が「対応に苦しみ」、救急車の大行列ができていると語った。
英保健安全保障庁は22日、デルタ株から派生した「AY.4.2」と呼ばれる亜系統について、デルタ株に比べて増加率が高まっている可能性があるとして、「調査中の変異株」に指定した。