EU、ポーランドに1日1.3億円の制裁 司法の独立侵害
(CNN) 欧州連合(EU)司法裁判所(ECJ)は27日、EUが求めた裁判官の懲戒制度の中止にポーランドが応じていないとして同国に1日あたり100万ユーロ(約1億3200万円)の制裁金の支払いを命じた。
懲戒制度はポーランドの最高裁判所の関連機関が権限を持ち、ECJは今年7月、司法の公平性や独立性を全面的に保障していないなどとして適用停止を促していた。議会や行政当局の意向がこの制度に及ぼす直接的あるいは間接的な影響への懸念も示していた。
これを受けポーランド政府は8月、数カ月内に打ち出すとした新たな司法改革の一環として、現在の形での懲戒制度の廃止を表明。ただ、この約束は履行されていなかった。
制裁金はEUの行政執行機関、欧州委員会が9月に要請したもので支払いは今月27日からとなっていた。懲戒制度が廃絶されるまでの支払い続行も命じた。
ポーランド政府と欧州委は法の統治や独立した司法制度をめぐって対立を続け、さらに悪化する兆しも見えていた。
ポーランドのモラビエツキ首相は先週、EUとのもめ事を解決する用意があると主張。その上で、「脅し」には屈しないとも付け加えていた。同国がEUから離脱しかねない「ポレグジット」も懸念され始めていたが、同首相は離反を打ち消してもいた。
ポーランドの憲法裁判所は今月、一部のEU法は同国の憲法と相いれないとの立場を表明。欧州委のフォンデアライエン委員長はEU法の優位性に対する挑戦は、組織のまさに土台そのものを疑問視することだと反論し、何らかの制裁を講じる可能性に触れていた。
欧州議会もポーランド憲法裁の見解を非難し、同国向けの補助金を打ち切ることを圧倒的な賛成票で決めていた。