COP26、2030年までの森林破壊終了を約束へ 100人超の首脳が合意予定
英スコットランド・グラスゴー(CNN) 100人を超える世界の首脳は2日、森林破壊と土地の劣化を2030年までに終了し、これらに逆行する施策に取り組むことを約束する見通しだ。英国政府が声明で明らかにした。これらの国々は地球上の森林の85%を占める。
現在同国北部スコットランドのグラスゴーで開催中の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)で発表される最初の実質的な取り決めになるとみられる。
協定の参加国にはカナダ、ロシア、ブラジル、コロンビア、インドネシア、コンゴ民主共和国などが名を連ねる。いずれの国も相当な面積の森林を有する。とりわけブラジルは近年、アマゾンの森林破壊の拡大を容認してきたとして批判にさらされている。米国と中国も協定に加わる予定。
英グラスゴーで開催中のCOP26で演説後に降壇するジョンソン英首相=1日/Jeff J Mitchell/Pool/AFP/Getty Images
協定は気候問題に対して重要な意味を持つ。森林が伐採されたり荒廃したりして大気中に放出される二酸化炭素は、世界の総量の11%前後を占める。
首脳らはCOP26の森林に関する部会の中で、87億5000万ポンド(約1兆3600億円)の公的資金を森林の保護と復元に充てると約束する。民間投資でも53億ポンドの資金を確保するという。アビバ、シュローダー、アクサなど数十に上る金融機関も、森林破壊につながる活動への投資の打ち切りを約束するという。
協定はCOP26全体の士気を高めるものになる公算が大きい。週末にローマで行われた主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)では、石炭の使用停止に関する期限の明記など、気候問題に対する新たな確約についての合意を得るには至っていなかった。