アフガン最大の軍病院で爆発、20人死亡 銃撃も
(CNN) アフガニスタンの首都カブールにある同国最大の軍病院で2日、爆発が発生し、当局によると少なくとも20人が死亡、30人が負傷した。
爆発が発生したのは、旧外国公館が集まる地区に近いダーウード・ハーン軍病院の入り口で、その後に銃声が続いたという。イスラム主義勢力タリバンによると、特殊部隊が現場に駆け付けた。
現場付近にあるワジル・アクバル・ハーン病院で搬送されてきた患者の治療に当たる医師は、少なくとも15人の負傷者が救急病棟に入院し、複数人が深刻な容体にあると明かした。またイタリアの人道支援団体「エマージェンシー」はツイッターに、同団体が運営する病院に負傷者9人が搬送されたと投稿した。
フェイスブックに投稿され、CNNが入手した動画では、2度の爆発が周辺エリアを揺さぶった後、現場の病院の敷地内にいる武装した男3人の姿が捉えられている。
動画は病院内部にいた男性によって撮影されたもので、この男性は部屋で「身動きができない」状態で隠れていると、フェイスブックに投稿した。この動画にはまた、地面に寝そべる4人目の人物の姿も映っている。
現場から逃れた、この病院で働く医療従事者はロイター通信に対し、大きな爆発音の後、数分間銃声を耳にし、さらに大きな爆発音を耳にしたと説明。爆発や銃声は敷地内のものかどうか分からないと述べている。
事件直後に犯行声明は出ていないものの、ロイター通信によると、国営バフタル通信はアフガニスタンで活動する過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の分派「ISIS―K」の戦闘員が多数、病院内に侵入して治安部隊と衝突したとする目撃者の証言を伝えた。
同病院は以前にも攻撃の標的となってきた。2011年には、タリバンと関係を持つ犯人が施設内で自爆し、6人が死亡、29人が負傷した。
17年には「ISIS―K」のメンバーが医療関係者に扮(ふん)して同病院を攻撃し、30人超が死亡した。
同組織はタリバンが首都カブールを掌握して以来、モスクなどを標的とした攻撃を繰り返し実施している。