ウクライナ大統領、「ロシア人とウクライナ人がクーデター企図」と発言
(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領は26日、首都キエフで記者会見を行い、ウクライナ人とロシア人からなるグループが来週のクーデター実行を企図していると述べた。
12月1日か2日にクーデターが計画されていることを示す諜報(ちょうほう)を受け取ったという。
ゼレンスキー氏によると、ウクライナ人とロシア人がクーデター計画を話し合っている音声が存在する。これらの人物はウクライナ有数の富豪であるリナト・アフメトフ氏の名前にも言及したという。
アフメトフ氏はウクライナの持ち株会社システム・キャピタル・マネジメント(SCM)の所有者。ゼレンスキー氏はアフメトフ氏について、周囲の人物によって「ウクライナ国家に対する戦争に引き込まれている」と述べたものの、詳しい説明や裏付けとなる証拠の提示はしなかった。
一方、アフメトフ氏はゼレンスキー氏の発言を「全くのうそ」と一蹴。SCMからCNNに寄せた声明で、「こうしたうその拡散には怒りを覚える」と述べた。
そのうえで「ウクライナ国民として、また国の最大の投資家、納税者、雇用主として、私は引き続き自由なウクライナと自由経済、民主主義、言論の自由を擁護していく。ウクライナにおける権威主義と検閲を防ぐために力を尽くす」としている。
バイデン米大統領は26日、クーデター計画に関するゼレンスキー氏の発言に「懸念」を示し、「我々はウクライナの領土的一体性や自己統治能力を守る」と表明した。
一方、クレムリン(ロシア大統領府)は、ロシアがクーデターに関与しているとのゼレンスキー氏の主張を拒絶。ペスコフ報道官は26日の記者会見で、「一般にロシアはその種のことには一切関与しない」と述べた。
欧米の当局者の間ではここ数週間、ウクライナ国境におけるロシアの軍事活動について懸念する声が高まっている。米国はロシアがウクライナに侵攻した場合の制裁を検討している。