ヒョウに子ども奪われた母親、自ら追いかけ救出 インド
(CNN) インド中部マディヤプラデシュ州でこのほど、男の子をヒョウに連れ去られた母親が自ら追いかけ、救出につなげる出来事があった。女性が大声を上げながら追跡したところ他にも人が現れたため、ヒョウは男児を離して逃走したという。
男児は5歳前後とみられている。地元当局によると、母親やきょうだいと一緒に小屋で座っていた際、接近してきたヒョウに連れ去られた。
母親はすぐさま立ち上がり、大声を上げながらヒョウを追跡したという。サンジェイ・ドゥブリ国立公園トラ保護区の現場責任者が明らかにした。
インドの他の国立公園と同様、サンジェイ・ドゥブリも中央に大半の野生生物が生息する地域があり、その周りの緩衝地帯で人間と動物が隣り合って暮らしている。
今回の出来事が起きたのは11月30日。前出の責任者はCNNの取材に、「ヒョウが子どもを奪って走り始めたとき、女性は叫びながら追跡した。他にも人が現れたので、ヒョウは子どもを離して逃走した」と振り返った。
男児は軽傷だったものの、ヒョウの歯が食い込んでいたために病院に搬送された。現在は全快しているという。
この公園は「トラ保護区」と呼ばれているが、ヒョウなど哺乳類32種類を含むさまざまな動物が生息している。
マディヤプラデシュ州のチョウハン州首相は30日、ツイッターで、母親は1キロにわたってヒョウを追跡したと説明。「死を恐れない勇気は母性の驚くべき形といえる。州民を代表して母親のキラン・バイガさんを祝福する」と言い添えた。