インド首都を覆う「サイレントキラー」、汚れた大気を吸うしかない人も
ニューデリー(CNN) インドのデリー首都圏にある地下鉄サウスキャンパス駅の前。グルプレート・シンさん(84)は汚れた麻の敷物の上で食べ物を乞い求めている。
施し物や日雇いの賃金で食いつなぐ他の数百万人のインド人と同様、シンさんは屋外に出て、厚いスモッグに覆われた首都の大気を吸うしか選択肢がない。
「ここに来て待っていると、食べ物をもらえることもある」とシンさんは話す。わずか数メートル先で排ガスを吐き出す三輪タクシーや車の音にかき消されないよう、声を振り絞って取材に応じた。
デリーはしばしば世界で最も汚染された都市のひとつに数えられる。空気中の有害粒子を追跡する空気質指数(AQI)のインド版によると、今月上旬には大気汚染が「危険」レベルに達した。
しかし、一部のデリー住民は汚れた空気に慣れきっていて、大気汚染は日常生活の一部と化している。ほとんど気づくこともないと、こうした住民は話す。
一方で、体調不良を訴える人もいる。