群衆が男性1人を殺害、「恥辱の日」と首相 パキスタン
パキスタン・カラチ/イスラマバード(CNN) パキスタン中部パンジャブ州で3日、スリランカ国籍の男性が群衆から暴行を受けて殺害され、のちに遺体を焼かれる事件があった。イスラム教の預言者ムハンマドを冒涜(ぼうとく)したことが原因とみられる。地元警察が明らかにした。
事件は同州の都市シアールコートで発生した。パキスタンのカーン首相は殺人について「自警団による恐ろしい襲撃」であり、「パキスタンにとって恥辱の日」だとの見解を表明。自ら捜査を監督していると明らかにした。
シアールコート警察の報道官によると、殺害されたのは工場長を務める仏教徒の男性。遺体は地元の病院に搬送されたという。
非営利団体(NPO)のパキスタン人権委員会は事件を非難し、国内の過激化が急速に進む重苦しい現実を思い知らされると指摘した。
パンジャブ州の州首相はツイッターで、警察の監察官に事件捜査の任務が与えられたことを明らかにした。
パキスタンでは自警団が冒涜行為を理由に人々を暴行する事件が多発している。今夏には群衆が首都イスラマバード郊外の警察署に突入し、モスク(イスラム教の寺院)を冒涜したとする男性2人を私刑にかけようと試みていた。