欧州で新型コロナの感染拡大 オランダは都市封鎖、英首都が「重大事態」宣言
ロンドン(CNN) 通常は年末年始のイベントでにぎわう欧州だが、新型コロナウイルスの感染が急増していることを受けて、オランダが新たなロックダウン(都市封鎖)を導入したほか、英国はさらなる規制措置の導入も排除しない姿勢を示している。
オランダでは少なくとも来年の1月半ばまで、屋内での集まりは1世帯あたり来客が2人までに制限される。クリスマスや大みそかには制限がわずかに緩和される。必須ではない店舗や文化施設などが閉鎖されるほか、学校も少なくとも来年1月9日まで休校となる。
ロイター通信によれば、オランダのルッテ首相はテレビ演説で、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」によりオランダは「第5波」に見舞われているため、ロックダウンは避けられなかったとの見方を示した。今行動を起こさなければ病院が管理不能な状況に陥る可能性があるとも述べた。
オランダはオミクロン株が国内で確認される前からすでに、新型コロナウイルスの新たな感染拡大に苦慮していた。一部の専門家からはオミクロン株が年内にも主流となるとの見方が出ている。
欧州の一部でオミクロン株の流行が急速に拡大しており、ワクチンの接種は進んでいるものの、今年のクリスマスも昨年と同じような状況になりそうだとの懸念が出てきている。
英国でもオミクロン株の流行が拡大しており、ジャビド保健相は19日、地元メディアに対して、クリスマス前の規制措置の可能性も排除することはできないとの見方を示した。
ジャビド保健相によれば、オミクロン株は現在、英国での感染の約60%を占めている。オミクロン株の重症度についてはわかっていないことが多いものの、「数日あるいは数週間後に感染の津波」に直面するだろうとの見通しを示した。
英首都ロンドンのカーン市長は18日、感染件数が急増していることから「重大事態」を宣言した。重大事態では、緊急サービスと地元当局との間で特別な対応が求められる。カーン市長は地元メディアに対して、新たな規制は避けられなかったと述べた。
英国ではここ数週間、感染を抑止するために、公共施設の屋内の大部分でマスクの着用を求めるなどの規制を再導入していた。
欧州各地ではすでに新型コロナウイルスの感染件数増加への懸念から新年のイベントが中止となっている。
フランスでは大みそかに屋外で行われる大規模なイベントや集まりを禁止した。デンマークは映画館や劇場を閉鎖したほか、店舗内の人数制限を導入している。イタリアではローマなどの複数の都市で新年の祝賀行事が中止となっている。