また、中国への外交的配慮によって米国の対応が複雑化する可能性もある。バイデン政権は気候や貿易、新型コロナウイルスの流行など、他の優先度の高い政策で中国との再関与を試みている。
米国家安全保障会議と中央情報局(CIA)はコメントを控えた。
中国外務省報道官はCNNへの声明で、サウジとの間で弾道ミサイル関連の機微技術移転が最近行われたかとの質問に対し、両国は「包括的な戦略パートナー」であり、「軍事貿易を含む全分野で友好的な協力を維持してきた」と説明。「こうした協力は国際法に違反しておらず、大量破壊兵器の拡散も行われていない」としている。
専門家や情報筋によると、CNNが入手した新たな衛星画像からは、中国の支援で以前建設された施設でサウジがすでに弾道ミサイル製造を進めていることがうかがえる。
ミドルベリー国際問題研究所の研究者らによると、商業衛星画像企業プラネットが10月26~11月9日に撮影した画像には、サウジのダワドミ付近の施設で燃焼運転が行われた様子が捉えられている。研究者らはCNNに対し、この写真は「施設がミサイル製造を目的に稼働している初の明白な証拠だ」と指摘した。