オーストリアで全成人に接種義務づけの法案発効、欧州初
(CNN) オーストリアのアレクサンダー・ファンデアベレン大統領は10日までに、妊婦などを除く同国の全成人に新型コロナウイルスのワクチン接種を義務づける法案に署名、同法が発効した。
欧州諸国でこの種の法律は初めて。違反行為への最初の罰金は600ユーロ(約7万9200円)となる可能性がある。同法順守の取り締まり作業は3月15日から始まる予定。
オーストリア保健省によると、除外対象には妊婦のほか、接種で健康を損ねかねない恐れがある成人も含まれる。また、最近感染した場合やPCR検査で初めて陽性反応を示してから180日間経過した成人にも適用されない。
同法の効力は2024年1月31日までを想定。接種日を指定されても応じず、記録が残っていない場合、年間で最多4回の罰金が科され、その額は最高で3600ユーロに達する可能性がある。
ドイツのショルツ首相も新型コロナの封じ込み策の一環としてワクチン接種の義務化を求めている。この政策の行方を占う関連の投票が3月末にも予定されている。
欧州内では一部の国が接種の義務化などを目指す一方、北欧諸国を中心に新型コロナ対策の行動制限を中止する動きも最近目立っている。
デンマークは新型コロナのオミクロン変異株による新規感染が急増しているなかで今月1日に全ての行動規制を廃止。ノルウェー、スウェーデンやフィンランドも先週、多くの予防策の解除を発表した。ワクチン接種で重症化を防止している効果などを理由にしている。