プーチン氏、演習終えた一部部隊が「撤収」と発表 ウクライナと米は懐疑的

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ロシア国防省が提供した、演習を終え列車の台への積載に向かう戦車=15日/AP

ロシア国防省が提供した、演習を終え列車の台への積載に向かう戦車=15日/AP

キエフ/モスクワ(CNN) ロシアのプーチン大統領は15日、ロシアは演習を終えた一部の軍部隊を基地に帰還させていると述べた。ウクライナ危機を巡りさらなる交渉の用意があるとの姿勢を示す一方で、ロシアの安全保障上の要求が「無条件の優先事項」になるとも述べた。

ただ、欧米の当局者は部隊の動きに関するロシアの主張を懐疑的に受け止めており、部分的な撤収が始まった証拠は見当たらないと指摘している。

バイデン米大統領は同日、記者団に対し、米国はまだロシア軍部隊の所属基地への帰還を確認していないと説明。ロシア兵は依然として脅威となる位置にいると述べた。

これに先立ち、プーチン氏はモスクワでドイツのショルツ首相と共同記者会見を行い、欧米による抑止措置を依然として「安全保障への直接的かつ差し迫った脅威」とみなしていることを明らかにした。

プーチン氏は安全の保証を巡る提案に対して米国やNATOから受け取った回答について、「私の意見では、ロシアの3つの基本的な要求を満たしていない」と説明。

ロシアには交渉継続の用意があると述べる一方で、すべての問題はロシアの主要提案から切り離さず全体として検討する必要があり、こうした提案の履行が「我々にとって無条件の優先事項となる」との立場を示した。

ロシア側の要求としては、ウクライナのNATO加盟を決して認めないとの保証や、NATO東欧拡大の巻き戻しなどがある。一方、米国やNATOの同盟国はこうした提案は考慮に値しないと繰り返し述べている。

プーチン氏はまた、ロシアの支援を受ける分離派武装勢力が実効支配するウクライナ東部の状況に触れ、「ジェノサイド(集団殺害)」との言葉を使った。ウクライナでロシア語住民への差別があるとの主張は、ロシアによる2014年のクリミア併合を正当化する論法の一つとなった。

プーチン氏の発言の数時間前には、ロシア国防相が、南部軍管区や西部軍管区の一部の部隊が所属拠点への帰還を開始したと述べていた。

ただし国防相の発表では、これらの部隊の恒久的な拠点はどこなのか、どこで演習を行っていたのか、何人が撤収するのといった点に具体的に言及していない。ウクライナや米国、NATOの当局者は懐疑的な姿勢を見せ、ロシアに対して緊張緩和の意思がある証拠を示すよう求めている。

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