ベラルーシのウクライナ国境近くで架橋や道路新設、米欧注視
(CNN) ウクライナと接するベラルーシで国境線から4マイル(約6.4キロ)以下離れた地点で主要河川をまたぐ道路新設と架橋工事が過去2日の間に進められていることが人工衛星画像の分析で17日までにわかった。
米欧の情報機関と軍当局者は、ロシアによる潜在的なウクライナ侵攻を視野に入れたインフラ基盤整備の一環とみて、これら工事の進展具合などを注視している。
この問題に通じている関係者3人がCNNに明らかにした。ベラルーシ南部を貫くプリピャチ川にかかる道路と橋は同国へ送り込まれたロシア軍がウクライナの首都キエフに向かうのに使われる可能性があるとした。
マクサー・テクノロジーズ、プラネット・ラブズ両社が撮影した衛星画像によると、戦術的な用途に見合うともみられる橋は多くの船を浮かべた上での架橋の工法が導入され、一晩かけた15日に出現したという。
関係筋は、ロシアは架橋のほか、野戦病院の建設や全ての種類の後方支援整備に取り組んでいると指摘。「ロシアが緊張緩和の方策を主張したとしても真剣に受け止められない理由がここにある」と述べた。
プリピャチ川での架橋をロシア軍あるいはベラルーシ側のどちらが担っているのかは不明。ベラルーシ国内では現在、ロシア軍部隊や装備品が派遣され、演習と称する作戦が進められている。
西側諸国の当局者は、これら部隊は北部からのウクライナへの侵入に動員される可能性があると分析。特にロシアがキエフへの侵攻を決定した場合、その可能性は増すとした。
この橋近くでのロシア軍部隊の集結は見られないものの、東へ約80マイル離れた地点には配備されている。ただ、架橋工事の現場につながる道路上では車列が確認されたという。
ロシアは15日、ウクライナ情勢に関連して錯綜(さくそう)した情報を発信しており、ウクライナ国境線から一部部隊を撤収させるとも発表していた。ただ、西側諸国の政府当局者は国境線周辺で緊張緩和につながる兆候はみられないとも主張。
最新の諜報(ちょうほう)に通じる多数の関係筋はCNNの取材に、ロシアは16日時点で国境線近くで依然、部隊を活発に移動させているとも明かした。一部の長距離砲が砲撃を始められるような場所に据えられたとも指摘した。