軍や銀行のサイトにサイバー攻撃 ウクライナ
(CNN) ウクライナで15日、国防省や銀行2行のウェブサイトに対してサイバー攻撃が行われたことがわかった。ウクライナ当局のSSSCIPが明らかにした。
SSSCIPによれば、今回のサイバー攻撃の主体は明らかになっておらず、責任を明確にするには時期尚早としている。SSSCIPはサイバー攻撃について調査を進めている。
今回のサイバー攻撃は、ロシア軍がウクライナ国境付近に推計15万人の兵力を集結させるなかで発生した。米当局者はロシアによる侵攻がすぐにでも始まる可能性があると警告している。ロシアはウクライナ侵攻の計画について否定している。
SSSCIPによれば、今回のサイバー攻撃は「DDoS攻撃」と呼ばれるもので、偽のトラフィックを大量に送りつけてウェブサイトへのアクセスを邪魔するというもの。DDoS攻撃は比較的安価で容易に実行できる。混乱を引き起こすことができる一方で、高度な知識を必ずしも必要としない。
ウクライナ当局によれば、現地時間午後7時半までに銀行2行のウェブサイトへのアクセスは復旧した。ウクライナにいるCNN記者によれば、15日夜の時点で、国防省へのアクセスは難しい状況となっている。
サイバーセキュリティーの専門家のマット・タイト氏は、今回のDDoS攻撃について、ロシア政府が促している、一般の人々に対する嫌がらせや士気をくじくための全般的な組織的運動の一環のようだとの見方を示した。
しかし、タイト氏は、今回の事案について、公共施設の無効化や軍事目的の達成といった直接的な紛争時に使われるであろう軍事的なサイバー攻撃や物理的な破壊を行うサイバー攻撃とは明確に異なっていると指摘。そのため、今回の事案をウクライナ侵攻の直接的な前触れとみなすことには注意を促すと述べた。
ロシアは繰り返し、サイバー攻撃の実施について否定している。