ウクライナ大統領、ドイツで安保会議に出席 欧米への不満も
(CNN) ロシアによる侵攻の可能性が指摘されるウクライナのゼレンスキー大統領は19日、ドイツを訪れ、各国首脳らが集まるミュンヘン安全保障会議に出席した。会場でCNNとの単独インタビューに応じ、欧米諸国は対ロシア制裁の内容を事前に明示するべきだと主張した。
ゼレンスキー氏は、ウクライナ不在のまま合意が成立することのないよう、同国を代表して会議に出席したと説明した。
複数の米当局者やウクライナ高官によると、ゼレンスキー氏がこの時期に国を離れることに対しては、ロシアが同氏の国外逃亡説を唱える恐れもあるなどとして、米政権が強く反対していた。
だがウクライナ大統領府は同日、ゼレンスキー氏が同会議に出席し、帰国前にハリス米副大統領、ショルツ独首相、ジョンソン英首相と会談する予定だと発表した。
同氏とハリス氏は会場で約45分間にわたって会談し、ハリス氏がウクライナを支持する立場を改めて表明した。
ゼレンスキー氏はその後、CNNとのインタビューで、欧米諸国が表明している対ロシア制裁について、具体的な項目が示されていないことに不満を示し、侵攻が起きた後では遅すぎると主張。「戦争が始まったら何が起きるかを事前に公表できないなら、事が起きた時に実行されるのかどうか疑わしい」との考えを示した。
同氏はまた、北大西洋条約機構(NATO)はウクライナ加盟への道筋をはっきりと示す必要があると語り、国際社会に同国への軍事的、経済的支援の強化を改めて呼び掛けた。
ロシアによる侵攻の可能性をめぐり、米国の情報機関が活発に情報を収集していることについては、感謝の意を表する一方で「私が信頼するのはウクライナの情報機関だ」と強調した。