電力喪失のチェルノブイリ原発、全通信が途絶 IAEA
(CNN) 国際原子力機関(IAEA)は10日、ロシア軍に占拠されたウクライナのチェルノブイリ原子力発電所と一切の連絡が取れなくなったと発表した。同原発はこの前日、外部からの電源供給が途絶えていた。
IAEAのラファエル・グロッシ事務局長は、チェルノブイリ原発の電力が復旧したとの情報は認識しており、確認に当たっていると語った。
これに先立ちウクライナの規制当局は10日、非常用発電機でチェルノブイリ原発に電力を供給しているとIAEAに伝えていた。
「通信が途絶えたことで、規制当局が同原発についての更新情報をIAEAに伝えることはできなくなった」とIAEAは発表。ウクライナ規制当局の話として、「通信が途絶える前に入った情報によると、同原発の送電線は両方とも損傷し、電力網から断絶した」と述べている。
電力喪失の影響についてIAEAは、同原発の安全機能に重大な影響はないとしていた。
IAEAによると、ウクライナ国内にある原子炉15基のうち、現在は8基が稼働している。そのうち2基はロシアに制圧されたザポリージャ原発にあり、残る3基はリウネ、1基はフメリニツキー、2基は南ウクライナにある。4施設とも、放射線レベルは平常通りだという。
グロッシ氏は、ウクライナの放射線モニタシステムについてウクライナ当局と連絡を取っていると説明した。
チェルノブイリ原発とザポリージャ原発の放射性物質や活動状況を把握するため導入されたモニタシステムは、システムからのデータ送信が途絶えたままで、IAEAとの通信は再開できていない。