プーチン氏がキーウ奪取を断念したと考えるのは「時期尚早」 米欧当局者が警告
(CNN) ウクライナに侵攻しているロシアのプーチン大統領が最近戦力をウクライナの南部と東部に移動させているとしても、プーチン氏がウクライナの首都キーウ(キエフ)の奪取をあきらめたとは限らない――。米欧の当局者からはそうした警告の声が出ている。
北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は5日、ロシア軍は今後数週間にわたって補給や再配置を行うが、その目的はウクライナ東部のドンバス地方に対する新たな攻撃を開始するためだとの見方を示した。
ストルテンベルグ氏は「彼らは再軍備を行うだろう。なぜなら、多くの弾薬を使ったからだ。そして、彼らは燃料や、食料などあらゆる必要なものを補給し、新たに大規模な攻勢を仕掛けるだろう」と述べた。
国防当局幹部は、プーチン氏の長期的な目標は不明だと述べた。しかし、最近の戦略の変化とロシアとウクライナによる和平協議が続いているとしても、米国と同盟国は、プーチン氏がウクライナ東部のドネツクとルハンスクでの目的を達成したあかつきにはキーウ地域に再侵攻しようとする可能性に備えて準備を進めている。米欧の当局者は、プーチン氏がキーウへの再侵攻に必要な人員と軍備を十分に備えているとみている。
サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は4日、「東部で占領したあらゆる領土を守るために、ロシアは戦力の投射とプレゼンスを拡大し、ルハンスク州とドネツク州を越えて、さらに深くウクライナに広げる可能性がある。少なくともそれが彼らの意図であり計画だ」と述べた。
サリバン氏は、米国はロシアが引き続き、キーウやオデーサ、ハルキウなどウクライナ全土に対して空爆やミサイル攻撃を行うとみていると指摘した。
米国や欧州、ウクライナの当局者はCNNに対し、ロシアがウクライナとの交渉を誠実に行っているとは信じておらず、偽装行為と大差ないとみていると述べた。当局者はまた、プーチン氏が、ウクライナのゼレンスキー大統領と西側寄りの政権を排除するという目標をあきらめたとは考えていないと語った。