上海市、初めて新型コロナの死者を発表 数万人の感染でロックダウン続く
香港(CNN) 新型コロナウイルス対策の全市的なロックダウン(都市封鎖)が続く中国・上海で18日、新型コロナに関連した3人の死亡が発表された。上海ではこれまでに何万人もの感染が確認されているが、オミクロン変異株が猛威を振るう中で死者が発表されたのは初めて。
上海市保健委員会の18日の発表によると、89~91歳の3人が新型コロナにより容体が悪化して、17日に病院で死亡した。
3人ともワクチン未接種で、心疾患や糖尿病、高血圧などの基礎疾患があった。
上海市で18日に報告された症例数は、症状のある症例が2417例、無症状の感染数は1万9831例だった。
症例数の多さに比べると、死者数は異様に少ないように見える。上海では3月1日以来、37万人以上の感染が確認されているが、公式集計によれば、17日まで死者は出ていなかった。
これに対し、香港では今年1月までの累計で症例数は118万例、死者は9000人近かった。
香港で死者が多い理由について専門家は、高齢者のワクチン未接種率の高さを指摘していた。3月上旬の時点で2回の接種を受けた70歳以上の高齢者は48%にとどまる。年初の時点でワクチンを接種していた80歳以上の高齢者はわずか25%だった。
上海でも高齢者のワクチン接種率は香港とそれほど変わらないことから、中国本土以外の専門家からは、上海の公式統計に疑問を投げかける声も出ている。
上海当局は18日、60歳以上の住民のうち62%がワクチン接種を完了し、38%が追加接種を受けたと発表した。中国共産党の機関紙、人民日報によると、ワクチン接種を完了した80歳以上の住民はわずか15%だった。